道路管理などでの利活用
例1.VICS(道路交通情報通信システム)
電波ビーコン(高速道路)、光ビーコン(主要な一般道)、FM多重放送(NHK等の各地のFM放送)から発信される情報を車載器が受信し、交通渋滞、通行規制、事故、駐車場の空車情報などを文字・簡易図形、地図形式でリアルタイムに車内の画面に表示するシステムです。情報の提供単位となるVICSリンクはデジタル道路地図データベースのノード列と対応しています。
例2.特殊車両通行許可申請システム
一定の大きさや重さを超える車両(特殊車両)が通行しようとする道路(通行経路)は、道路を管理する国、地方公共団体等の特車窓口に通行許可の申請を行い、許可を受けなければなりません。この許可をオンラインで申請するシステムおよび、道路情報便覧付図表示システムに当協会のデジタル道路地図が使用されています。
例3.交通事故分析
交通事故データは(公財)交通事故総合分析センター(ITARDA)において統合及び総合的な分析等が行われていますが、事故発生地点の位置情報はデジタル道路地図データベースを用いてそのリンク上位置に調整されています。分析されたデータは国・地方公共団体などにおいて活用されていますが、民間への提供事業も行われています。
例4.道路交通センサス
概ね5年に1度、全国規模で道路交通の現状を調査する道路交通センサス。その調査結果のまとめに当協会のデジタル道路地図データベースが利用され、コンピュータによる交通量図の作成、渋滞状況の把握など様々の分析を実現しています。
その他の利活用の一例(道路管理者、国・地方公共団体)
- 総合交通分析システム(NITAS)
- 渋滞対策プログラムデータベース
- 公園等適地候補地アクセス検討
- 道路維持管理システム
- 道路交通状況ビジュアル3Dマップ
- 自転車走行空間整備検討
- 総合管内図・パンフレット
地域防災・GISでの活用
我が国は地震、台風、集中豪雨、雪害など数多くの災害発生国であり、それらへの備えが欠かせません。防災対策の基礎は、災害情報や備蓄基地所在情報を共有するとともに、緊急輸送路の選定・確保などを迅速に行うことです。その情報基盤としてデジタル道路地図は重要な役割を果たします。また、防災以外にも、地方公共団体の各種行政分野にわたるGIS(Geographic Information System:地理情報システム)基盤地図としての活用が期待できます。
※デジタル道路地図に背景地物として国土地理院の地形図(数値地図)などを併用すると、より見やすくなります。
例5.南海トラフ地震における緊急輸送ルート
緊急輸送ルートは、発災時において被災地域へ人員・物資・燃料の輸送が迅速かつ円滑に行われるよう通行を確保すべき道路を定めたものです。このルートの選定・見直しにデジタル道路地図データベースが利用されています。
例6.災害時の情報提供システム
震災・異常気象等が発生し、道路交通に多大な影響があるとき、通行止め・交通渋滞などドライバーが必要とする情報を提供するシステムが平成26年から(公財)日本道路交通情報センター(JARTIC)によって運用開始されました。情報の道路位置表示にデジタル道路地図データベースが利用されています。
防災に関わるその他の利活用事例
- 災害・道路管理地図情報システム
- 総合防災システム
- 地震防災投資効果評価指標基礎データ
- 道路震災情報共有システム
カーナビゲーションシステム等での利用(民間利用)
各種のセンサーとGPS衛星による測位をデジタル道路地図上に正確にマッチングさせることによって、現在位置を表示し、ネットワークデータによって目的地までの最適な経路を案内するシステムです。その正確な地図情報を支えているのが当協会のデジタル道路地図です。また、このほかにも、民間では様々な用途に利用されています。
例7.カーナビゲーションシステム
道路の開通や改良等を反映した最新のデジタル道路地図により、的確な道路案内が行われ、快適で安全なドライブを実現しています。また、道路管理者等からの指摘を反映することで、悪路への侵入を防ぐとともに渋滞防止等にも貢献しています。
例8.マーケティング支援システム
市場調査や出店計画にGISを駆使し、臨場感あふれるマーケットリサーチを展開しています。このGISにも当協会のデジタル道路地図が利用されています。
例9.電子地図出版
WebやDVD/CD-ROMなどで地図を提供する電子地図出版に、当協会のデジタル道路地図が利用されています。その普及はパソコンの普及・進化と歩調を合わせて、ますます多様化し、新しい価値を生み出しています。
その他の民間での利活用例
- カーロケーションシステム
- 安全運転支援システム
- 運行・物流管理システム