日本測地系による地域メッシュコードについて
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Version 3.02(最終修正年月日 令和元年05月20日)
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目次
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1 趣旨
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2 世界測地系による地域メッシュコードと日本測地系による地域メッシュコード の混同を避けるJIS規格の引用表現
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3 地域メッシュコード規格の制定・改廃の経緯
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4 失効したJIS規格 JIS X 0410:2002 地域メッシュコード(追補1)
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参考 地域メッシュコードに関する解説
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1 趣旨 ( 目次へ 2へ )
地域メッシュとは、地表に想定した一定の間隔の経線群と緯線群からなる格子で区切られた個々の区画を意味する用語です。また、地域メッシュコードは、個々の地域メッシュを区別するため一定の付番規則に従って付けられたコード番号を意味します。経緯度を定める測地系、経線・緯線の間隔、付番規則の選び方により、可能性としてはいろいろな地域メッシュコードが考えられます。ただし、特に断りが無い場合は、日本工業規格(以下、JIS規格という)の JIS X0410 地域メッシュコードで定められたものを指すと解釈するのが妥当です。
JIS規格の地域メッシュコードが準拠する測地系については、規格の定義の中に明示はありませんが、測量法の定めによるものとされています。測量法の定めによる測地系は、平成14年4月1日以降、世界測地系に移行しました。従って、現在のJIS規格は、世界測地系によるものです。
世界測地系へ移行する前は、測量法の定めによる測地系は日本測地系でした。それで、平成14年2月20日にJIS規格が改正されて、10年間の有効期間に限って日本測地系によるものをJIS規格に追加する移行措置がとられました。
日本測地系によるJIS規格は移行措置の終了後は失効しましたが、過去に販売された製品に対するサービスなどのために、今後も日本測地系に準拠したデータの更新を継続せざるを得ない用途が一部にあることが指摘されています。
ここでは、このような用途で、日本測地系に準拠したデータの更新継続等のために、失効したJIS規格である日本測地系による地域メッシュコードをやむを得ず用いる場合の参考に供する目的で、世界測地系によるJIS規格との混同を避けるために留意すべき事項等、日本測地系による地域メッシュコードについての情報をまとめています。
このサイトは、このJIS規格の原案作成団体である一般財団法人日本デジタル道路地図協会が管理しています。
2 世界測地系による地域メッシュコードと日本測地系による地域メッシュコード
の混同を避けるJIS規格の引用表現 ( 目次へ 1へ 3へ )
過去に作成した日本測地系に準拠したデータの更新を継続する等のため、やむを得ず日本測地系による地域メッシュコードを用いる場合は、次の例にならった規格の引用を行うなど、JIS規格である世界測地系による地域メッシュコードとの混同を避けるようにして下さい。
〇 表現例1
ここで用いる「地域メッシュコード」は、JIS X 0410:2002 地域メッシュコードに、2012年2月まで規定されていた「地域メッシュコードN」である。
〇 表現例2
ここで用いる「地域メッシュコード」は、日本測地系(平成12年11月改正以前の測量法の定めによる)による地域メッシュコードである。
3 地域メッシュコード規格の制定・改廃の経緯 ( 目次へ 2へ 4へ )
参考のために、地域メッシュコードに関する規格についてのこれまでの経緯を、簡単にまとめました。
地域メッシュコードに関する規格は、最初、次のように昭和48年に制定され、行政管理庁告示として公告されました。
〇 昭和48年7月 「統計に用いる標準地域メッシュ及び標準地域メッシュ・コード」(昭和48年7月12日行政管理庁告示第143号)
ちなみに、次のサイトのp19-p21に告示の内容が紹介されています。
http://www.stat.go.jp/data/mesh/pdf/gaiyo1.pdf#page=1
その後、この規格は、次のように昭和51年にJIS規格として制定された後、昭和62年に別の名称の規格に移行しました。
〇 昭和51年1月 「JIS C 6304 地域メッシュコード」として制定
〇 昭和62年3月 「JIS X 0410:1976 地域メッシュコード」へ移行
測量法の改正により測地系が世界測地系へ移行されることになり、それまで本来のJIS規格であった日本測地系による地域メッシュコードの規格は、新しく本来の規格になった世界測地系による地域メッシュコードの規格を補う立場になり、追補1という形でJIS規格に追加されました。
この追補1は、10年間の有効期間が定められており、平成24年2月19日を最後に失効しました。
〇 平成14年2月 「JIS X 0410:2002 地域メッシュコード」に改正され、同規格の追補1が発効
〇 平成24年2月 「JIS X 0410:2012 地域メッシュコード」の追補1が失効
追補1の失効後は、世界測地系によるもののみがJIS規格になっています。
ちなみに、次のサイトで、JIS規格の内容が閲覧できます。ここでは、失効した追補1に関する記述もそのまま掲載されていますが、有効期限を過ぎましたので、JIS規格としては無効です。
http://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISSearch.html
4 失効したJIS規格 JIS X 0410:2002 地域メッシュコード(追補1) ( 目次へ 3へ 参考へ )
平成24年2月に失効するまで日本測地系による地域メッシュコードを定めていたJIS規格 JIS X 0410:2002 地域メッシュコード(追補1)は、下の枠線で囲まれた記述のような構成でした。
これからわかるように、失効したJIS規格では、
① 日本測地系による地域メッシュコードの名称を、「地域メッシュコードN」とすること
② その日本測地系とは、平成13年6月20日に改正される前の測量法が定めていた測地系であること
③ このJIS規格の有効期限は、10年間とすること
だけを定めていたことがわかります。
したがって、経緯度から地域メッシュコードを求める方法自体は、世界測地系によるJIS規格と全く同じです。
失効したJIS規格 JIS X 0410:2002 地域メッシュコード(追補1)の要約
まえがき
この項では、この追補は、JIS X 0410:1976 が、平成14年2月20日付けで改正されたことに伴って発効するものであることが記述されています。
規格番号
日本工業規格 JIS X 0410 : 2002
規格名称
地域メッシュコード(追補1)
英語名称
Grid Square Code(Amendment 1)
規格本体
以下の構成で規格の内容が記述されています。
序文
この項では、この追補が、測量法の改正に伴う測地系の日本測地系から世界測地系への移行に伴い、JIS X0410:1976 に以下の項目を追加する改正を行うものであることが記述されています。
6.日本測地系による地域メッシュコードの名称及びその有効期間
6.1 日本測地系による地域メッシュコード
この項では、日本測地系の経緯度による地域メッシュコードの名称を”地域メッシュコードN”とすることが記述されています。
備考1.
この項では、世界測地系とは、平成13年6月20日法律第53号により改正された測量法第11条に定めるところによることが記述されています。
2.
この項では、日本測地系とは、備考1.の改正前の測量法(昭和24年6月3日法律第188号、最終改正平成12年11月27日法律第126号)第11条に定めるところによることが記述されています。
6.2 有効期間
この項では、日本測地系の経緯度による地域メッシュコードの有効期限を改正追補の発行日より10年間とすることが記述されています。
参考
この項では、備考2.に関わる測量法(昭和24年6月3日法律第188号、最終改正平成12年11月27日法律第126号)及び測量法施行令の該当箇条が記述されています。
具体的には、関係法令の条文が記述されています。(注1)
JIS X 0410(地域メッシュコード)改正原案作成専門委員会 編成表
この項では、当該規格の改正原案作成専門委員会を構成する専門委員、事務局員及びオブザーバーの氏名及び所属が列挙されています。(注2)
(注1)参考で引用されている関係法令の条文
(測量法)
第11条 基本測量及び公共測量は、左の各号に掲げる測量の基準に従って行わなければならない。
一 地球の形状及び大きさについては、ベッセルの算出した次の値による。
長半径---六、三七七、三九七メートル・一五五
偏平度---二九九. 一五二八一三分の一
二 位置は、地理学的経緯度及び平均海面からの高さで表示する。ただし、場合により直角座標又は極座標で表示することができる。
三 距離及び面積は、水平面上の値で表示する。
四 測量の原点は、日本経緯度原点及び日本水準原点の地点及び原点数値は、政令で定める。
(測量法施行令)
第2条 日本経緯度原点の地点及び原点数値は、次のとおりとする。
地点 東京都港区麻布台二丁目十八番一地内旧東京天文台子午環の中心点
| 経度 東経百三十九度四十四分四十秒五〇二〇
原点 | 緯度 北緯三十五度三十九分十七秒五一四八
数値 | 原点 | 百五十六度二十五分二十八秒四四二(旧東京天文台子午環の中心点において真北を基準
| 方位角 | として右回りに測定した鹿野山一等三角点の方位角)
2 日本水準原点の地点及び原点数値 略
(注2)改正原案作成専門委員会の専門委員、事務局員及びオブザーバーの所属(人数)
(専門委員)
前橋工科大学
東京大学
広島工業大学
国土地理院
国土技術総合研究所
財団法人日本地図センター
財団法人日本測量調査技術協会
財団法人日本交通管理技術協会
財団法人道路交通情報通信システムセンター
社団法人日本自動車工業会
財団法人道路新産業開発機構
財団法人自動車自動走行電子技術協会
社団法人新交通管理システム協会
財団法人運輸政策研究機構
社団法人電波産業会
株式会社パスコ
アジア航測株式会社
日産自動車株式会社
株式会社ホンダ技術研究所
トヨタ自動車株式会社
住友電気工業株式会社
松下通信工業株式会社
パイオニア株式会社
株式会社トヨタマップマスター
株式会社ゼンリン
(事務局)
財団法人日本デジタル道路地図協会(2)
(オブザーバー)
警察庁
総務省
経済産業省(2)
国土交通省(3)
農林水産省
財団法人日本情報処理開発協会
このプログラムは、国土地理院長の承認を得て、同院の技術資料H1-No.2「測地成果2000のための座標変換ソフトウエアTKY2JGD」を利用し作成したものである。(承認番号 国地企調第291号 平成23年12月12日)
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